エスパイ

2014.03.30

出版社:早川書房 、角川文庫、徳間文庫など数社
著者:小松左京

【あらすじ】
 超能力をもった人達により構成されている平和を守るための組織「エスパイ国際機構(エスパイとはエスパースパイの略)」に所属する田村良夫(以下タムラ)はソ連首相暗殺計画の陰謀が見つかったため、その計画を未然に防ぐようにとの命を受け、イタリア系の美女・マリア=トスティらのエスパーとともに世界を駆け回りますが、彼らにも刺客(当然超能力者たち)が襲い掛かるのでした。

【操りのポイント】
 後半、ベルリンにいるある人物がこの計画の大きな鍵を握っていることを聞いたタムラは急ぎ、飛行機でベルリンに向かい、テンペルホーフ空港に到着します。そして、これからの動きをどうするか思案中、背後から「アロー、ムッシュ」と低く、豊かで少しハスキーなアルトの声がし、香水の匂いが漂いだします。タムラが振り返ると、身体にびっちりとした銀色のドレスに鍔広の銀色の帽子、銀のハイヒールとまさしく全身銀尽くめの絶世の美女が「今ここに付いたばかりで言葉もあまり分からないので、よろしければ道を教えていただけませんか」と彼に話しかけてきます。タムラは思わず、服の中身を透視し、スーパーモデルも裸足で逃げるような美しい肢体に見とれ、「ええ。わかりました」と彼女のスーツケースを持ち、彼女の後ろを付いていきながらタクシー乗り場に案内します。

 が、目の前の銀色に輝くドレスにおおわれ、一歩あるくことに波のように美しく揺れ動く彼女の見事なヒップを見ているうちにタムラの視界は一面ぼんやりと銀色にかすみだし段々と眠気が襲ってきます。実は、彼女の銀色の服は、ただのおしゃれではなく、相手に視線を集中させ、ゆっくりと動かす(歩く、振り向くなど)によって相手を催眠状態に落す重要な道具だったのです。さらにすぐに気づかれないように、相手に信頼感を持たせる会話方法を用い、彼女は男ならどんな堅物でも数分で催眠状態に落とす事が出来る凄腕の催眠術師だったのです。タムラはすぐに「これは催眠術か!」と彼女の正体に気づくも、もうすでに遅く、とろんとした目で彼女のいうがまま車に乗り出し、彼女の言葉のまま超能力も使えず、亡き者にされかけるのでした。

 独特の催眠方法でした。十数ページ催眠の話が続くのでお勧め。これ以外にもタムラやマリアを妨害するために、軍事基地の司令官等を催眠で綾ってたり(登場時にもうすでに操られている)、何者かに連れ去られたマリアが薬でらりってタムラのことが分からなくなってたりするシーンがあります。

 なお、私は実写(映画)の方は見ておりませんが上記のシーンはあるのでしょうか。マリア役の由美かおるさんが催眠術を掛けられるシーンがあるらしいと聞いたのですが、どうなんでしょうか。
スポンサーサイト

Comment

コメントの投稿

:

:

:

:

:

管理者にだけ表示を許可する